特別審査員 全体講評
会田正裕 / プロカメラマン
街の見え方は、思い出、現在、未来と、それぞれ異なるものです。多くの写真を拝見し、それぞれが愛情という視点でつながっていることを改めて実感しました。変わりゆく街の景色が、皆さんの思いと記憶として写真に刻まれ、語り継がれていくことに、このフォトコンテストの意義を感じています。全ての応募作品は、それぞれに独自の魅力があり、優劣をつけることが難しいほどでした。応募者の皆さんと共に、八千代台の街を散策する気分を味わえたことを、とても幸せに感じています。
岡田智秀 / 日本大学理工学部まちづくり工学科・教授
4年目を迎えた八千代台フォトコンテストは、昨年に過去最多となった78件を大きく上回り、応募総数90件(有効作品全85件)と最多応募数更新となりました。ご応募いただいた皆さま方に厚く御礼申し上げます。
さて、昨年度に続き、今回の応募作品(有効作品全85件)の特徴を大まかながら分類してみたところ、分類内容とともに、それらの該当件数が昨年度とおおむね同じ傾向になるという面白い結果が得られました。
最も多かった分類テーマは「夕景」(18件)であり、続いて「花・植物」(12件)、「公園・緑地」(10件)、「商店街・店舗(外観)」(6件)、「青空・雲」「京成線(駅舎内含む)」「エルム(外観)」(各5件)、「エルム(館内水槽)」(4件)、「夜の町・月夜」「諏訪神社」(各3件)、「朝日」「送電線・電線電柱」「祭事(カラスビシャ)」「街路」(2件)、「その他」(6件)となりました。
上述のように、分類項目や数字的な傾向としては昨年度と同様になりましたが、今回ならではの特徴として、審美的な描写というよりも、日常のありふれた街並みが撮影対象となるものが多く、その対象物を、夕日に染まる様子、夕暮れ時のシルエット、月明かりとの調和など、時間的な一瞬の変化を魅力的に描写している作品が多く見受けられました。見慣れた日常の風景の価値は一般的には気づきにくいものですが、応募された皆様の豊かな感性とともに、地域資源が発掘されにくい近郊都市「八千代台」の楽しみ方・味わい方を知ることができました。
来年度も引き続き八千代台のその時々の魅力をぜひ撮影写真にとどめていただきたいと思います。次回も多数のご応募をお待ちしています!
末筆ながら、主催者の皆さま方には、日ごろのご尽力に敬意を表したいと思います。
八千代台最高の(もっとも高い)スポット
おなまえ
部 門
撮影場所
撮影年月
写真の説明
ロッツォくん
一般の部
ユアエルムの屋上駐車場
2024/3/3
ユアエルムの屋上駐車場。こんなにも空を広く見渡せる場所は最高です。空(雲)の移り変わり、太陽、月、星などの観察にはもってこいの場所です。また、富士山のシルエットやスカイツリーも望める、誰もが楽しめるスポットです。
審査員コメント
タイトルにあるように、八千代台エリアの最高地点「ユアエルム屋上」。その場所から、八千代台地域を含めたパノラマ景観を楽しむ人々を添景として、空の青・赤色とその他のシルエット(グレー)という3色のコントラストが美しく映し出された作品である。
八千代台の1番高い場所であり、今回の写真にもいくつか屋上での写真がありましたが、空の色がとても綺麗で、一目引く1枚でした。この場所から富士山やスカイツリー、様々な景色を楽しめるという点でも評価できました。
エルム屋上からの富士
おなまえ
部 門
撮影場所
撮影年月
写真の説明
ABBA
一般の部
ユアエルム屋上駐車場
2024/2/12
八千代台駅改札からエルムへ向かう通路で、綺麗な夕焼けが見えた。偶々一眼カメラを持っていたので急いで屋上駐車場へ上がり撮影した。撮影場所が分るように敢えて駐車場の鉄柵も写し込んだ。
審査員コメント
八千代台エリアで最も高い場所「エルム屋上」。そこは単なる駐車場にとどまらず、霊峰富士が拝める場所でもある。夕空を背景に、八千代台の街並み全体がシルエットになり、その上に霊峰富士の稜線が茜色に輝く美しいワンシーンである。完璧な「ダイヤモンド富士」にあともう少しの「ナイスチョット」な魅力ある作品。
富士山が見えるスポットがあるまちが好きです。夕焼けが綺麗で、影になった富士山と合わせて素敵な作品だと感じました。
八千代台にこんなに富士山を綺麗に収められるスポットがあるのかと感動しました。夕方のまちと富士山、そして夕陽のコントラストがとても素晴らしいです。
帰り路
おなまえ
部 門
撮影場所
撮影年月
写真の説明
はぱん
子どもの部
八千代台東小前の坂道
2024/6/19
サッカーの帰り、八千代台に帰ってきたな〜とホッとする道で空がきれいだったので撮影しました。
審査員コメント
この谷を越えれば我が街・・・という安堵感を感じさせる美しい夕陽。「今の八千代台」を後世に残すにはとてもいい写真だと思います。
運転をしている時の醍醐味である、この一瞬の風景を切り取られている一枚。シンメトリーであるからこそ正面の夕景が際立っており、視線が誘導されて味を感じられる一枚です。
こんな素敵な帰り路を過ごせる筆者にとても羨ましく思いました。サッカーで疲れて帰ってきた時、ふと顔をあげてみた景色なのだと想像できました。当たり前の日常の景色が魅力的でした。
春の訪れ
おなまえ
部 門
撮影場所
撮影年月
写真の説明
KEIFILM.
一般の部
八千代台第2公園
2024/4/13
毎日散歩する八千代台第2公園の桜、今年も綺麗な花を咲かせました。
審査員コメント
心地よい春風と美しい桜、青空に舞う花びらが降る中、女性の微笑みまで見えてきそうです。
一本の桜が毎日毎日、多くの人の思いに触れているのだろうと想像すると、
豊かで優しい気持ちになりますね、素敵な写真です。
綺麗な桜と青空がまさしく春の訪れを感じさせてくれて素敵な作品です。写真全体の優しい色味も春らしさがあり、良い作品だなと思いました。
まるでフィルム映画の一部のような繊細でありながら、咲いた桜・空に舞う桜・地面の緑と混ざり合う桜・春の淡い彩りがこの一枚から強く伝わってきました。春が待ち遠しく感じました。
ぼくと私は八千代台がすき
おなまえ
部 門
撮影場所
撮影年月
写真の説明
めめ
一般の部
八千代台第二公園
2024/4/13
引っ越して初めて八千代台の桜を見て1人の人間と1匹の犬はすっかりこの街が好きになりました。
お散歩中すれ違いには、挨拶やお話ししてくれる優しい街の人たち。
この桜のように優しく見守られている気持ちになりました。
今年の春は心も温かい。
ここに住んで良かった。
審査員コメント
満開の桜とそれを見上げる人とワンちゃん、そしてそこに調和する住宅街。春の八千代台の魅力を最大限に魅せる写真だと感じました。タイトルや写真の説明からも八千代台への愛と魅力が伝わってきました!
さくらを見上げる人と犬によって、春の温かさと八千代台ののどかさを同時に感じることができる点に感銘を受けた。
龍の降臨
おなまえ
部 門
撮影場所
撮影年月
写真の説明
ミカ
一般の部
八千代台西歩道橋
2024/4/17
仕事帰りに空を見上げたら、龍が舞い降りて来ました。広い空がいつまでも残って欲しい
審査員コメント
夕暮れの一瞬をうまく捉えてますね。八千代台であることがすぐにわかるのもポイント。
一般からのコメント
龍の降臨!今年は辰年だし、なにか良い不思議な奇跡が町に起こりそうな雰囲気!キャッチコピーと写真がドンピシャなので投票!
秋晴れと落下傘
おなまえ
部 門
撮影場所
撮影年月
写真の説明
ぷりゃ
一般の部
八千代台東商店街
2023/11/27
通勤時間に時々見かける光景。空が高くなるこの時期、落下傘がキレイに見えます。この写真が撮れるまで3年かかりましたwww
審査員コメント
八千代台住民なら誰もが知る3要素すべてが描写された作品。3要素とは「京成八千代台駅」、「ユアエルム」、そして「自衛隊の落下傘訓練風景」。タイトルにもあるように、この3要素が秋晴れの爽やかな青空の中に映し出されており、八千代台地域の原風景の一つを提供してくれています。
時々見かけることが出来るこの光景をおさめたい!という筆者の強い想いが伝わった1枚でした。八千代台でこの光景を実際に見てみたいとおもいました。
Shine☆
おなまえ
部 門
撮影場所
撮影年月
写真の説明
えみっち@やっち応援隊
一般の部
八千代台北13丁目(八千代台北子供の森)
2023/12/7
自宅近くの公園。通勤前に少し寄り道をして撮影しました。ゆっくり昇ってきた朝陽が、銀杏の木々を黄金色に照らした瞬間は、今日も1日頑張ろうと思わせてくれました。
審査員コメント
撮影者が通勤途中に出会った朝日に染まる緑地(八千代台北子供の森)を低視点で描写することで、茜色に染まる落ち葉と立木を幻想的に描写した作品。普段見慣れているこの緑地の風景とは一味違った新発見。
美しい光と影のコントラスト。元気が貰える綺麗な景色ですね。
落ち葉と樹木と差し込む日光の調和が良く、奥の樹木にフォーカスされ手前の落ち葉がボケているところが素敵だと感じました。
夏の入口
おなまえ
部 門
撮影場所
撮影年月
写真の説明
ふか
一般の部
南ヶ丘公園
2024/7/29
猛暑日は早く家に帰りたいと思いますが、帰宅途中ふと目に留まりました。
入口が素敵な公園は、とても入ってみたい気持ちになります。
鮮やかな蒼の世界は夏を彷彿させ、公園でのひとときは時間を忘れさせます。
審査員コメント
まさしくタイトルの通り、緑のゲートを潜り抜けると鮮やかな芝と青空の”夏”が待っている。夏の記憶を思い出させてくれる入り口は場所であると写真を見た時に感じました。一番「夏めいている」写真です!
HELP!!
おなまえ
部 門
撮影場所
撮影年月
写真の説明
アーノルド美穂
一般の部
八千代台近隣公園
2024/7/2
近隣公園のシンボルである、大きな恐竜のモニュメント。今にも動きだしそうで迫力満点!思わず撮影したくなるフォトスポットです。
審査員コメント
今時の受けを狙った写真、インスタとかでよく見そうだけど、今までこの種類の作品が皆無だったな、こんな面白写真大好き。
瞠目
おなまえ
部 門
撮影場所
撮影年月
写真の説明
クッキー
一般の部
京成八千代台駅南口ロータリー
2024/3/10
八千代台のなかでも毎日多くの人が通り過ぎるこの道の傍らには花が咲いているが足を止める人は少ないが、この花たちの存在に気づいて意識する事で何かが変わる気がする。
審査員コメント
八千代台のシンボルともいえるユアエルム、市民にとっては日常空間に溶け込む存在である場所に咲き誇るピンクのバラに着眼したことで、華やかを創出し、たった一枚の写真から違った景色を生み出しているのがとても見どころだった。
朝焼け
おなまえ
部 門
撮影場所
撮影年月
写真の説明
HAL
子どもの部
八千代台西の線路沿い
2024/7/2
始発で出掛ける用事があって、駅のエスカレーターを上ろうと思ったら、綺麗な朝焼けが見えたので撮りました。
審査員コメント
始発に向かう早朝ゆえに、人影や車両の往来がまったくない静まり返った時間帯。一般的に電線・電柱や鉄道の架線は風景の構成要素として避けられがちであるが、こうした動きのない時間帯だからこそ、朝日に染まる茜色の空を背景に電線・電柱・架線が風景の主役として浮かび上がる、特別な時間帯の特別なワンシーンになっている。まさに“早起きは三文の徳。美しい光と影のコントラスト。元気が貰える綺麗な景色ですね。落ち葉と樹木と差し込む日光の調和が良く、奥の樹木にフォーカスされ手前の落ち葉がボケているところが素敵だと感じました。